2011年2月6日(日)「しんぶん赤旗」

ユーロ安定策を協議

EU首脳会議


 【ロンドン=小玉純一】欧州連合(EU、27カ国加盟)は4日、ブリュッセルで首脳会議を開き、欧州統一通貨ユーロ圏の信用不安克服をめざす諸施策を協議しました。ファンロンパイEU首脳会議常任議長(大統領)が会議後に記者会見し、この問題での包括策を次回3月下旬のEU首脳会議で合意する意向を表明しました。

 ドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領は、包括策に盛り込む経済・財政連携策を共同提案し、その協議のためユーロ圏17カ国首脳会議の3月上旬開催を呼びかけました。

 連携策の内容は▽債務の上限を各国で法制化▽退職年齢の引き上げ▽インフレ連動の賃金制度廃止▽法人税の最低税率導入など。

 しかし、オーストリアのファイマン首相は「各国それぞれ事情があり年金支給年齢をEUが規制するのは無理だ」と主張。インフレ連動の賃金制度をとるベルギーのルテルム首相は「わが国の社会モデルを破綻させる」と表明するなど、異論も出されました。サルコジ大統領は記者会見で「共通の枠組みで合意可能だ。全く同じ内容にするのではない」と弁明しました。

 首脳会議は、焦点になっている欧州金融安定基金(EFSF)の融資能力増強の具体化も次回会議での合意を確認しました。EUは総額4400億ユーロ(約48兆8400億円)のEFSFを、ギリシャへの1100億ユーロの融資を決めた昨年5月に設置しました。同年11月にはアイルランドへの850億ユーロの融資に適用しました。増強は、債務危機がポルトガルとスペインにも波及した場合でも対応可能だと、金融市場にアピールするのが狙いです。





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