2011年2月4日(金)「しんぶん赤旗」

銃撃・衝突 10人死亡 エジプト


 【カイロ=伴安弘】ムバラク大統領の即時辞任を求める反政府デモが続くエジプトで3日早朝、与党国民民主党が組織した武装グループの一部とみられる者がカイロ中心部のタハリール広場に陣取る反政府デモ参加者を銃撃しました。中東の衛星テレビ・アルアラビーヤなどによると、この銃撃を含む2日からの衝突で10人が死亡、1500人以上が負傷しました。

 銃撃は3日午前4時ごろから始まり、2時間ほど続いたといいます。広場付近には軍の装甲車が配置に就きましたが、銃撃をやめさせようとはしませんでした。しかし、同日午後には軍が増強され、反政府・親ムバラク両陣営の間に割って入る形で配備に就いています。

 同広場では2日午後にも大統領支持派の集団が乱入し、デモ参加者を攻撃。3日付のエジプト紙アルワフドは、与党国民民主党に属する武装グループや警官、兵士らによるものだと報じました。

 シャフィク首相は同日、事件に謝罪を表明し、調査を約束しました。

 野党勢力との対話に乗り出す姿勢を見せるムバラク大統領に対し、ワフド党など3野党は対話の受け入れを決定。一方、ムスリム同胞団などの反政府グループは大統領の即時退陣を要求し、タハリール広場にとどまりました。

 またスレイマン副大統領は2日、「全国民が夜間外出禁止令を守る」よう主張。野党勢力との対話は、デモの終結が条件だと述べました。

 しかしシャフィク首相は3日午前、政府代表と広場のデモ参加者の代表を含む野党との対話が始まったと述べました。これに対し、エルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長とムスリム同胞団は同首相の対話呼びかけを拒否したと伝えられます。





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