2011年1月27日(木)「しんぶん赤旗」

消費増税 大連立の危険

首相 “超党派協議を”  自民 “積極的に参加”


 26日の衆院本会議代表質問。政府・民主党による消費税増税への暴走ぶりがはっきりするとともに、この問題での自民との大連立への危険性も浮き彫りとなりました。

 この日、自民党の谷垣禎一総裁は、「わが党は税制抜本改革の道筋と方向性を(2009年度税制『改正』法)付則104条で法制化した。昨年の参院選では消費税率や、その使途についても訴えてきた」と述べ、消費税増税の“正当性”を主張しました。

 同付則は、自公政権のもと、09年3月に成立。11年度までに消費税を含む税制の抜本改革法案の提出を政府に義務付けています。

 菅直人首相は「法律の意をくみ、しかるべく対応する」と答弁。政府として、11年度末までに消費税増税法案を提出することを明記した付則を尊重すると明言し、繰り返し超党派協議への参加を呼びかけました。谷垣氏は、解散・総選挙を前提にした上で、「与野党協議に真摯(しんし)かつ積極的に参加する」と表明しました。

始まった具体化

 国会審議と同時並行して、消費税増税法案の具体化も始まっています。

 政府は消費税増税に向けた「税と社会保障の一体改革」について、6月までに「改革案」を示すとしています。21日には、菅首相が政府・与党の「社会保障改革検討本部」を開催し、「改革案」策定に向けて経済界はじめ各界の意見を反映させるための「集中検討会議」設置を決めました。同会議は2月5日にも初会合を開きます。

 “増税シフト”で入閣した与謝野馨経済財政担当相は、『サンデー毎日』1月30日号で、消費税について「いずれ10%は引き上げなければ財政は立ち行かない。段階的な引き上げを国民にお願いすることになる」と断言し、15%の税率が必要だとの立場を示しました。

 19日、報道各社のインタビューで、「改革案に消費税率を示すのか」と問われた与謝野氏。「抽象的なものではなく、具体的に何をするかを書くことが望ましい」と表明しています。

比例削減と一体

 政府・民主党による増税ごり押し路線には、新たな大問題も浮上しています。

 菅首相は施政方針演説で、「国民負担増は避けられない」とした上で、「議員定数削減など国会議員も自ら身を切る覚悟を国民に示すことが必要だと考えます」と述べ、そのための与野党協議を提案しました。

 与謝野氏と同じく増税シフトで官邸入りした藤井裕久官房副長官(元財務相)は20日のNHK番組で定数削減について「政治家が血を流さないでそんなこと(消費税増税)を言っていいのか」「この話と消費税というのはワンパッケージではないかと思う」とあからさまに発言しています。

 民主党が狙っているのは衆院の比例定数80削減です。これを消費税増税と一体で行うことは何を意味するのでしょう。

 玄葉光一郎国家戦略担当相は19日、消費税引き上げについて「12年3月までに成案を得る努力をする」とした上で、実施時期については「総選挙後になる」と述べました。

 これは、国民に甚大な痛みを押し付ける消費税増税法案を成立させたうえで、衆院比例定数80削減のもとで総選挙を行うというもの。そこからは、増税法への怒りを代表する議席を国会から締め出し、増税実施を強行する、そんな魂胆が透けて見えます。





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