2011年1月22日(土)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 歴史年表で、1月のできごとをみる。あす23日、中国の隋(ずい)王朝が永済渠(えいせいきょ)を開く、とあります▼608年の話です。永済渠は、黄河から北の天津へ通じる運河。40年も続かなかった隋王朝は、次々と運河を掘り、黄河と長江の二つの大河を結んでいます。永済渠だけでも100万人を工事にかりだし、人民を苦しめました▼しかし、大運河は中国の経済や文化の発展に大いに役立った、といいます。日本は当時、聖徳太子のころでした。アメリカがイギリスの植民地として世界史の年表に登場するのは、976年後です▼昨年、中国の国内総生産が日本を上回ったようです。世界2位の経済大国に。国の大きさや底力を考えると、いつかは訪れる瞬間です。ドイツを抜いて2位になった1960年代末の日本は、公害や物価高など「高度成長」の害が噴き出し大変でした。いま中国に、大国らしい責任を果たすよう求める声もおこっています▼世界一の大国アメリカも、その「責任」が語られてきました。現実はどうだったでしょう。世界の警察官のように振る舞いながら、あちこちに押し入る。世界の経済運営の取り仕切り役を演じながら、とてつもない貿易赤字や財政赤字をだしたり金融危機をひきおこしたりして、世界を混乱させる。地球の温暖化を止めるための約束づくりに加わらない▼「責任」の上に「無」がつく場合が多い。中国が、日本やアメリカの経験からさまざまに学びつつ、どんな経済大国として進んでゆくのか。目が離せません。





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