2011年1月21日(金)「しんぶん赤旗」

日米同盟を維持・強化

初の年頭外交演説 菅首相が表明


 菅直人首相は20日、都内のホテルで年頭外交演説を行い、民主党政権の外交・安全保障政策を提示しました。首相は、日米関係について「政権交代にかかわらず維持・強化されるべき」だとし、同盟深化にまい進する姿勢を強調。また環太平洋連携協定(TPP)に関して、6月をめどに交渉参加について結論を出すことを改めて表明しました。

 菅首相は、(1)日米基軸(2)アジア外交の新展開(3)経済外交の推進(4)地球規模の課題への取り組み(5)我が国自身の安全保障環境への的確な対応―の5本の柱で演説。日米同盟について、「最も重要な2国間関係」「アジアと太平洋地域にとっての安定の要素であり公共財として評価されている」と述べました。

 具体的には、今年前半の訪米にあわせ、オバマ米大統領とともに「21世紀の日米同盟のビジョンを示したい」と発言。北朝鮮の核開発問題など「アジアの安全保障環境は非常に厳しい」として、日本における米軍駐留の必要性を説き、沖縄・米軍普天間基地の同県名護市辺野古への「移設」にむけ「ねばり強く取り組む」と述べました。

 また、沖縄の基地負担の軽減のため、「沖縄以外に住む国民の理解と協力が得られるよう、あらゆる場を通じて働きかけていきたい」と語り、全国に米軍基地・施設、訓練の受け入れを求めていく意向を示しました。

 さらに、TPPについては、「米国をはじめとする関係国との協議を進めており、6月をめどに交渉参加について結論を出す」と強調。「今日における平成の開国を成し遂げる。今年を開国元年として位置付け取り組んでいきたい」「日本の命運をかけて進めなければいけない」として、自由貿易推進を断固として進める考えを示しました。

 演説会は、民間外交推進協会(FEC)の主催で開かれたもの。歴代首相の年頭外交演説は初めてのことです。





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