2011年1月18日(火)「しんぶん赤旗」

鹿児島阿久根 独善市政に終止符

市長に西平氏

“市民は対立より対話選んだ”

若者立ち上がり変化広がる


 市民の良識がついに独善的な市政に終止符を打ちました。16日投開票された鹿児島県阿久根市の出直し市長選で、西平良将(よしまさ)氏(37)=養鶏業=が初当選。専決処分を乱発して住民投票でリコール(解職)され失職・再立候補した竹原信一前市長(51)を破りました。(鹿児島県・村山智)


写真

(写真)市民の祝福をうける西平氏=16日、鹿児島県阿久根市

 当選の報が入った西平氏の事務所。万歳を叫ぶ若者たちの白い息と市民の歓声―。西平候補が「市民は対立よりも対話を選んだ。市民のみなさんとともに新しい阿久根市をつくっていきたい」と呼びかけると「よーし」の声と拍手が響きました。

 竹原氏のリコールをすすめた「阿久根市の将来を考える会」の川原慎一代表は「市民のみなさんがよく考えて違法を繰り返す前市長に『ノー』の答えを出された。西平候補の掲げた中学校卒業までの医療費無料化、辺地への巡回バス運行など弱者にやさしい政策が浸透したのも勝利の要因です」と語りました。

 「阿久根のために立ち上がった西平さんと若者にありがとうと言いたい」(35歳、女性)

 この声に代表されるように、選挙戦の大きな特徴は、「いまのままの阿久根でいいのか」と20代から40代までの市民が将来を憂えて立ち上がったことです。

 昨年1月、若者5人で発足した同「会」の運動は、試行錯誤のうえ、市政懇談会を市内7カ所で開くなど市民の声を直接聞くことから始まりました。

 発起人の1人が当選した西平氏。「障害を持つ子どもの父親として竹原市長の『障害者差別発言』を許すことができなかった。抗議に行ったが竹原氏は会ってもくれなかった」と振り返ります。

 市議会を開かず副市長選任など専決処分を繰り返す竹原氏に若者たちは「リコール以外に再生の道はない」と「阿久根市長リコール委員会」に発展させます。若者のネットワークは自営業、農漁業、会社員などさまざまな職種に広がりました。

 「西平さんの支援者」と語る40代の女性は「今度の選挙は、無法を繰り返す竹原市政をどうするのか、阿久根市民の良識、民度が問われた選挙でした」と語ります。そして「若者が立ち上がったことで市民の意識が市政正常化を探求する方向に大きく変化した」といいます。

 農業の男性(36)も「よその町で阿久根出身というのが恥ずかしかった。西平さんには町を二分した市民の対立を解消して、暮らしやすい活気ある街づくりをお願いしたい」と期待しています。

地図




■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp