2011年1月15日(土)「しんぶん赤旗」

米ロ核軍縮

“つぎは戦術核削減”

米国務次官補が課題指摘


 【ワシントン=小林俊哉】ロシアとの核軍縮交渉の米側責任者を務めたガテマラー米国務次官補は13日、ワシントン市内で開かれた会合で、米ロ間の核軍縮交渉の将来について、射程の短い戦術核兵器の削減交渉が課題の一つとなるとの考えを示しました。

 米ロ間では、射程の長い戦略核について、新しい軍縮条約(新START)が昨年4月に調印され、12月には米上院が批准しています。

 ガテマラー氏は、新START調印の際にオバマ大統領が「次のステップでは非戦略核弾頭と非配備核弾頭に取り組むことになると述べている」と指摘。「これらは、核態勢見直しの一環であり、この政権がすすめてきた政策展開と整合する」と述べました。

 ただ「次のステップはより入り組んだものとなるだろう」とも述べ、検証措置など技術面での難しさがあると指摘しました。

 同じ会合で、シンクタンク・米外交問題評議会で紛争予防問題を専門とするゼンコー研究員は、中国など他の核保有国を軍縮交渉に関与させるためにも、米ロ間に戦略核だけでなく、戦術核を含む削減合意が存在することが望ましいと主張しました。

 また、シンクタンク・ブルッキングズ研究所で軍備管理問題の責任者を務めるパイファー上級研究員(元駐ウクライナ米大使)も、欧州配備の米戦術核について、「欧州諸国では、米国の核兵器は必要ないと主張する圧力が強まっている」と述べ、米国、北大西洋条約機構(NATO)、ロシアの間で戦術核の軍備管理合意を追求するのが好ましいとの考えを示しました。





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