2010年12月25日(土)「しんぶん赤旗」
幹線道路と築地移転推進
東京都が予算原案発表
東京都は24日、一般会計で6兆2360億円(前年度比0・4%減)の2011年度予算原案を発表しました。特別会計、公営企業会計をあわせた総額は11兆7642億円(5・3%減)。都民向け施策は、一部に改善はあるものの全体としては冷たく抑えたままで、大型幹線道路建設や築地市場豊洲移転など大型開発の推進が際立っています。
「依然として厳しい財政環境」としながら、投資的経費は7年連続で増加。首都高速道路への出資金など経常経費に含むものを合わせた投資関連経費は1兆円余になります。
東京港を「国際コンテナ戦略港湾」に整備する事業や、東京外郭環状道路、広域幹線道路など大型事業を推進するほか、八ツ場(やんば)ダムやスーパー堤防の経費を盛り込みました。都民の反対を押し切って築地市場を江東区豊洲地区に移転する経費も計上しています。
一方、経済悪化で苦しむ都民への支援は、若者向け雇用就業支援の開始、特別養護老人ホーム・老人保健施設の整備費補助の増額など前進もあるものの、相変わらず雇用・福祉に冷たい予算です。五輪準備基金4116億円は残したままです。
日本共産党都議団や市長会などが要望してきた、整備が遅れている多摩地域の小中学校の冷房化促進予算を計上したものの、教育庁予算はこの13年間で最低です。
都予算案は復活要望(財源200億円)をへて来年1月13日に確定します。
予算組み替えで暮らし守る予算に
大山都議が談話
日本共産党東京都議団の大山とも子政策調査委員長は24日、都2011年度予算原案について、「大型開発優先、暮らし・福祉に冷たい予算。復活要求、予算組み替え提案を行い、都民の暮らし・福祉・雇用を守る都民第一の予算の実現に全力をつくす」との談話を発表しました。