2010年12月18日(土)「しんぶん赤旗」

「動的防衛力」 軍事対抗へ大転換

政府が「新防衛大綱」

中国を「懸念」 南西諸島に部隊増強


 政府は17日、今後10年間の日本の軍事力のあり方を示す新たな「防衛計画の大綱」を閣議決定しました。民主党政権初となる新防衛大綱は、日本防衛を建前とした「基盤的防衛力構想」を改め、「動的防衛力」の構築へ方針を大転換。中国の軍事力の近代化・強化を「地域・国際社会の懸念事項」とし、軍事的に対抗する姿勢を打ち出す重大な内容となりました。


 防衛大綱の策定は1976年が最初。今回、6年ぶり4回目となります。

 新「大綱」は中国への対抗を意識し、南西諸島への新たな部隊配備や潜水艦部隊の増強などを打ち出しました。

 「動的防衛力」については、「各種事態に対し、より実効的な抑止と対処を可能」とするものと説明。機動力と即応性をより高めることを重視し、アジア太平洋地域さらには地球規模での自衛隊の展開を想定しています。

 同時に、「国際平和協力活動」に「より積極的に取り組む」と海外派兵の推進を表明。そのために、PKO(国連平和維持活動)参加五原則の検討をうたいました。

 新「大綱」は、日米同盟について「今後とも必要不可欠」と強調。ミサイル防衛や情報保全などあらゆる面で「日米協力の充実」をはかるとし、沖縄新基地建設を含む在日米軍再編合意の着実な実施、「思いやり予算」の積極推進を約束しています。米国の「核抑止力」も「不可欠」としました。

 政府は同日、新大綱のもとで、11年度から5年間の軍事力の整備目標を示す新「中期防衛力整備計画」(中期防)も閣議決定し、総額23兆4900億円程度としました。「南西地域対処」として、与那国島への陸上自衛隊の沿岸監視部隊配備や移動警戒レーダーの展開などを盛り込みました。

 自衛隊の海外派兵では、陸自中央即応集団の機能充実、ヘリ搭載護衛艦や輸送機の後継機整備など海上・航空輸送力の強化を打ち出しました。





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