2010年12月10日(金)「しんぶん赤旗」

COP16議長文書を提示

京都議定書延長案も併記


 【カンクン(メキシコ)=小林俊哉】カンクンで開かれている国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)は8日、作業部会の議長が最終合意に盛り込むべき要素を列挙した文書を提示しました。これまでの論点を整理したもので、対立点はそのまま両論が併記されています。

 京都議定書第1約束期間が終了した後の2013年以降の新たな枠組みについては、先進国の削減目標を、京都議定書の改定付属書に書き込む案なども盛り込まれ、日本政府が“断固反対”している京都議定書延長案が選択肢の一つとして、明記されました。

 非公式交渉と同時に行われている閣僚級会合では同日、英国代表が「第2約束期間が必要」と強調。中国代表も「第2約束期間のような問題での実質的成果を期待する」と述べました。他の代表からは、今回の交渉が失敗すれば、国連を中心とした現在の交渉の有効性に疑問符がつくとの警鐘も相次ぎました。

 同日、国際的な非政府組織(NGO)のメンバーが、松本龍環境相と会談。日本政府が「第2約束期間」に反対し続けることは、国際交渉の前進に有害だとして転換を求めました。NGOによると、松本環境相は、従来の姿勢を繰り返したといいます。

 COP16に参加している日本のNGO「気候ネットワーク」は同日、声明を発表し、「このままでは日本は確実に孤立し、交渉決裂を招く。世界から大きな批判を浴びることになる」として、柔軟姿勢をとるよう求めました。


笠井氏、各国閣僚らと交流

 【カンクン(メキシコ)=小林俊哉】カンクンで開催中の国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)に参加している日本共産党の笠井亮衆院議員(党地球環境問題対策チーム責任者)は8日、同会議会場でロットゲン独環境相、フリース・デンマーク気候変動・エネルギー相らと交流しました。

 これに先立ち笠井氏は、ドイツ政府が主催したセミナーに出席。ドイツ、デンマーク、南アフリカ、コロンビアでの低炭素社会をめざす取り組みについての各国閣僚の発言や、インドネシアの温暖化対策などについての米国の事業家、ジョージ・ソロス氏の発言に耳を傾けました。

 ロットゲン環境相がドイツで低炭素社会実現へ「革命的取り組み」をしていると発言したことについて笠井氏は、「励まされる。日本政府も学び、しっかり削減目標をもって取り組む必要がある」と感想を語りました。ロットゲン氏は「大いに協力していきたい」と述べました。

 笠井氏はまた、2008年3月に党欧州温暖化対策調査団団長として訪独した際に会談した独連邦議会下院環境委員会のブリングシュレーター委員長(左翼党)と再会しました。ブリングシュレーター氏は、京都議定書延長に反対する日本政府の立場に深い懸念を表明。笠井氏が政策転換のために奮闘すると語ると、話を聞いていた独自由党の議員も「その点は賛成だ」と声をかけてきました。





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