2010年12月4日(土)「しんぶん赤旗」

自立支援法「延命」強行

無念 だが負けぬ

障害者ら「私たちの新法 必ず」


 「私たちの新法を実現するぞ!」―。国会閉会日の3日、障害者自立支援法「延命」法が参院本会議で可決・成立しました。無念の思いで見届けた障害者や家族、関係者らは、自立支援法廃止後の新法制定に向けてさらに運動を強化することを確認しました。


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(写真)「私たちの新法を実現するぞ!」「私たちはあきらめない!」とシュプレヒコールする障害者や家族ら=3日、国会前

 廃案をめざし、連日国会前で訴え続けた「10・29全国大フォーラム実行委員会」。太田修平事務局長は「私たちは、人間として社会で生きたいという願いや要求を持って、運動のうねりを大きくしてきました」と話し、新法をつくり障害者の人権が守られる社会をめざしてより大きなうねりをつくろうと呼びかけました。

 日本障害者協議会の藤井克徳常務理事は「私たちには、自立支援法違憲訴訟団が勝ち取った基本合意と、新法制定を目的に政府内に設置させた総合福祉部会があります」と強調。「私たちの手で本当の新法をつくりましょう」と訴えました。

 きょうされんの斎藤なを子副理事長は、「延命」法に対する賛成、反対で障害者団体を分断する動きがあることにふれ、「私たちの運動を国民一人ひとりに浸透させ、より大きなものにしていきましょう」と話しました。

 「いてもたってもいられず、滋賀県からやってきました」と話す「長浜市手をつなぐ育成会」の酒井助太郎会長は「法律の中身をしっかり議論して、賛成団体にも問題点を認識させないといけません」と発言しました。

 参院の厚生労働委員会と本会議を傍聴した女性(70)。息子(42)は、自立支援法違憲訴訟の元原告です。傍聴後、「悔しくて悲しいけど、基本合意をもとに総合福祉部会で議論をすすめて、私たちの意見を反映した新法ができるよう運動をがんばりたい」と話しました。

 さいたま市の女性(69)の娘は知的障害を持ち、共同作業所に通っています。「(法律の)応益負担1割が残っている点がいけない」と指摘。「悔しいけど負けません。後世に残せる立派な新法をつくって引き継ぎたい」と決意を語りました。

 参院の厚生労働委員会で質疑と反対の討論に立った日本共産党の田村智子参院議員は「国会議員には、みなさんの願いが届かないのか。この悔しさをばねに、当事者の意見、心で新法をつくるためにも運動を広げていきましょう」と述べました。紙智子参院議員もかけつけ、新法制定に全力をつくす決意を表明しました。

 障害者自立支援法違憲訴訟団は同日、厚生労働省内で記者会見し、同法成立に抗議の意を表明しました。





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