2010年11月2日(火)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 古来、長生きは多くの人の願望です。年を重ね、生きいきと暮らしを楽しむお年寄りの姿にふれるたびに、将来は自分もそうなりたいと願わずにはいられません▼しかし今の日本では、単純に長寿を喜べない現実もあります。25〜65歳の男女832人を対象にした生命保険会社のアンケートでは、約9割の人が長生きすることに不安を感じると答えています。「長生きはリスク(危険)」とまで思っている人も7割近くにのぼりました▼若い人から定年間近の人までが、明るい未来を描けず、長生きすることに危機感さえ抱いている―。理由をみると、上位を占めたのはお金、病気・入院、介護の三つでした▼深刻な就職難で働きたくても仕事がない。繰り返される年金や医療、介護保険制度の改悪で、老後の暮らしに展望がもてない…。どれも国民の暮らしを守るべき政治が、逆に不安を生み出してきた結果にほかなりません▼しかし、政権の担い手が民主党にかわっても、改悪の流れは止まりません。介護保険では10月末に、要介護度が軽い人の利用料引き上げや、特別養護老人ホームなど施設の入居にかかる費用の値上げなど、さらなる負担増と給付減を狙う案を厚生労働省が出しました。どれも、自公政権下で検討されていた改悪です▼高齢者の社会保障を切り詰めないと若い人の税や保険料負担にしわ寄せがくる―と世代間の対立をあおる政府や財界。そんな宣伝にだまされないで、長生きを喜び合える社会をつくっていきたいものです。





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