2010年10月20日(水)「しんぶん赤旗」
司法修習生給費制廃止
原告に寄り添う道断つな
ハンセン病国賠訴訟原告 谺雄二さん訴え
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11月から予定されている司法修習生への給費支給制度廃止に反対の声が高まるなか、日本弁護士連合会は19日、支給存続を求める集会を参院議員会館で開きました。集会には、司法修習生や弁護士、さらに市民団体からも参加。ハンセン病国賠訴訟全国原告団協議会会長の谺(こだま)雄二さん(78)もかけつけ、自らの体験をもとに激励しました。
給費制存続をめぐっては、世論や運動が広がるなか民主党も党内部会では、給費支給継続の方向を打ち出していますが、11月を目前にして予断を許さない状況です。
日本弁護士連合会の宇都宮健児会長は「給費制廃止は、公正・平等であるべき司法に貧富の格差を持ち込むものだ。これを許せば司法に対する市民の信頼を損なう」と述べ、支給継続への法改正に向けては、今後1〜2週間の活動にかかっていると訴えました。
支給継続を求める運動を展開するビギナーズ・ネットが作製したライトブルーのTシャツに身を包んだ、当事者である新期司法修習予定者が発言。司法試験に合格しても経済的な不安に悩んでいる状況が切々と語られました。
日本共産党の穀田恵二衆院議員は「弁護士や司法修習生と市民らが力を合わせた運動によって、支給存続まであと一歩のところまで政治を動かした」と激励。多くの政党が、支給存続にむけて責任を持つべきだと強調しました。
谺さんは、「(ハンセン病国賠訴訟のさい)弁護士さんが私たちの宿舎に泊まって、一緒に風呂に入って人間回復をとりもどす裁判に立ち上がるよう励ましてくれた。これほど親身になってくれる人が、給費制から貸与制になれば司法への道を断たれてしまう。ともに絶対阻止に向けて頑張りましょう」と呼びかけ、大きな拍手が会場を包みました。
井上哲士、山下芳生の両参院議員も参加し、あいさつしました。
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