2010年10月16日(土)「しんぶん赤旗」

NATOが司令機構縮小へ

加盟国の緊縮財政で

外相・国防相理事会 ミサイル防衛議論


 【ロンドン=小玉純一】北大西洋条約機構(NATO)は14日、ブリュッセルで11月の首脳会議へ向けて、異例の外相・国防相合同理事会を開き、加盟国が緊縮財政方針をとる中でNATOの諸機構の縮小・合理化で合意しました。また、首脳会議で採択する向こう10年間の新たな行動指針「新戦略概念」とミサイル防衛の整備が協議されました。

 ラスムセン事務総長は理事会後の記者会見で、「同盟の能力を縮小させることはない」としつつも、「現在11ある司令部を縮小再編し、スタッフ1万3000人を9000人以下にスリム化する」ことなどを明らかにしました。米国のゲーツ国防長官は、同盟国に「極端な歳出削減で同盟の軍事能力を空洞化させてはならない」と警告し、欧米のあつれきが改めて露呈しました。

 ミサイル防衛については、ラスムセン事務総長は「理事会では首脳会議で合意することに反対はなかった」と指摘、「現存する欧州と米国のシステムを連結するための費用は1億4700万ユーロ(約170億円)にとどまる」と述べました。

 ドイツは、ミサイル防衛にロシアの参加も必要だと主張する一方で、「ミサイル防衛によって(ドイツなど5カ国にある米軍の)戦術核兵器は不要になる」と核軍備縮小・撤廃を改めて強調しました。フランスは自国の独自核戦力を維持する立場を表明しました。

 「新戦略概念」のNATO事務総長原案は9月に加盟国に提示されており、サイバー攻撃など新たな脅威への対応を盛り込み、「現代の脅威には現代の防衛が必要」(事務総長)とするものです。





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