2010年10月6日(水)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 東シナ海に面し、かんきつ類ボンタンがよくとれる、鹿児島県阿久根市。「尾張名古屋は城でもつ」の名古屋市▼いま、二つの町でリコール(解職請求)話がもちあがっています。阿久根市の竹原信一市長に対するリコールの有効署名は、市民の過半数を超えました。補正予算も副市長選びも市議会にはからず、自分だけで決めていた市長です▼先月末には副市長の人事をめぐり、市長派の議員が議場にかぎをかけてこもる事件もあったばかり。城にたてこもる「ろう城」と報じられました。なるほど、市長を「昔の殿様」とよぶ市民もいます▼河村たかし市長が、支援者に市議会の解散を求める署名を集めるようよびかけていた名古屋。集まった署名が、はたして必要な数に達しているかどうか。もし数を満たしていれば、阿久根と同じく、後日の住民投票で決せられます▼議会の招集さえ拒んだ竹原市長。気に入らない議会はいらない、と考える河村市長。そういえば竹原市長も昨年、市議の“不人気調査”をインターネットのブログ(日記)で実施しています。「最も辞めてもらいたい議員は?」と▼河村市長を応援する、大阪の橋下徹知事も忘れてはいけません。弁護士時代、自分と意見の違う弁護士をこらしめる処分の請求を、テレビで市民によびかけました。のちの裁判で「不法」な行いとされましたが、政治のやり方も2人の市長に通じます。住民を主人公とみなしているかのように振る舞いつつ、実は独断に走る。現代の同類3殿様?





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