2010年9月23日(木)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 裁判官、検察官、弁護士。法廷にいる法律家は、それぞれバッジをつけています▼裁判官のバッジは、八咫(やた)の鏡に「裁」の字をあしらいます。天照大神の岩戸隠れの神話にでてくる鏡を、真実を映す鏡と見立て、裁判の公正を表すそうです。弁護士バッジは、女神がもつ天びんの周りを金色のヒマワリの花びらが囲みます▼天びんは公正平等の、ヒマワリは自由と正義を求める姿の象徴といいます。さて、いま注目の検察官。真ん中に紅の朝日、周りにキクの白い花と金色の葉。「秋霜烈日」のバッジ、ともよばれています▼朝日は夏の照りつける日差しを、キクの白は秋の霜を思い起こさせるからです。どちらもきびしく、検察官の責任と刑罰のきびしさを物語る、といいます。きびしい刑罰を求める仕事だからこそ、身をひきしめ厳正に。しかし、大阪地検特捜部の検事は、バッジをなんと心得ていたのでしょう▼郵便の障害者割引の悪用事件を捜査していた検事は、証拠隠滅の疑いで逮捕されました。押収したフロッピーディスク内の文書を書き換えていた―。自分たちが描いた筋書きにそって事実をねじまげ、無実の容疑者を陥れていたとすれば、背筋が寒くなります▼検察官は、ほかの公務員と違い“一人ひとりが官庁”とされます。捜査や裁判で、個人の権限が大きい。と同時に、独立した職権をもつ裁判官と違い、検察庁という役所で上司の指揮をうけます。検察全体はどうなっているのか、烈日のもとにさらしてみてはどうでしょう。





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