2010年9月14日(火)「しんぶん赤旗」

9・11同時多発テロから9年

イスラムとの戦争否定 オバマ大統領

寛容な国呼びかけ


 【ワシントン=小林俊哉】オバマ米大統領は、米同時多発テロから9年となった11日、ワシントン郊外の国防総省で行われた追悼行事に出席し、「われわれはイスラム教と戦っていない。決して戦うこともない」と述べ、イスラム教をテロ活動と結びつけ、排斥する一部の動きを批判しました。

 オバマ氏は、同時多発テロを引き起こしたのはイスラム教ではなく、テロリスト集団だと強調。信教の自由は米国の根本的価値の一つだとして、「多様で寛容な国としての伝統」を守ろうと呼びかけました。

 同日は、約3000人の犠牲者が出たテロ発生現場の一つとなったニューヨークの世界貿易センタービル跡地など、各地で追悼行事が行われました。

 今年は9・11を前に、米国でイスラム教とテロとを結びつける偏見をめぐる議論が活発となりました。

 南部フロリダ州ゲーンズビルの教会のジョーンズ牧師がイスラム教の聖典コーランを燃やすと予告。国内外から激しい批判を受け、焼却を中止しました。報道によると、米南部テネシー州スプリングフィールドで11日、キリスト教会の牧師らがコーランを焼却する事件がありましたが、こうした事態は広がりませんでした。

 またニューヨーク市のテロ現場近くでのイスラム礼拝所建設計画をめぐり、賛成派、反対派のそれぞれが集会を行い、小競り合いが起きました。





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