2010年8月31日(火)「しんぶん赤旗」
巨大地すべり 豪雨増え危険高まる
「深層崩壊」対策は急務
あす「防災の日」
9月1日は「防災の日」です。1時間降雨量が53年ぶりの記録的豪雨(24日)となった札幌市をはじめ、この夏、各地で豪雨のラッシュ。経験したことのないような雨量だけでなく、「深層崩壊」と呼ばれる巨大な地すべり災害の危険に警鐘が鳴らされています。土砂災害の様相を一変させる「深層崩壊」の恐ろしさとは――。(宇野龍彦)
![]() (写真)深層崩壊した山腹=19日、鹿児島県南大隅町(豊田栄光撮影) |
梅雨末期の豪雨で7月5日に発生した土石流の爪あとが生々しい鹿児島県南大隅町の被災地。調査した鹿児島大学の下川悦郎教授は、山の斜面が深い場所からえぐられたように崩れる「深層崩壊」という大規模な地すべり現象が最初に発生し、これが土石流となって住宅地に襲いかかったと説明します。
「深層崩壊」災害のすさまじさを示したのは2009年8月、台風8号に襲われた台湾南部の大規模土砂災害です。
新潟市で今年7月8日に開かれた「深層崩壊セミナー」では、この土砂災害の現地調査に参加した新潟大学の権田豊准教授が報告。「日本でも地球温暖化の影響により、降水量・降雨強度が増大し、来襲する台風が大型化することが予想される。台湾の災害をもとに備えておくことが必要だ」と注意喚起しました。
権田准教授によると、台湾を襲った台風8号は09年8月7日から11日にかけて総降水量2400〜3000ミリに。これは台湾の年平均降水量に匹敵し、過去最大級のものでした。日本の年平均降水量約1500ミリの倍に達する大雨が短時間に降った結果、(1)浸水(2)土石流(3)深層崩壊(4)天然ダムの形成(5)天然ダムの破壊による洪水―という「複合型土砂災害」に発展しました。
山頂から発生した大規模地すべり(深層崩壊)に襲われた台湾高雄県の小林村では、死者500人をだす大災害になりました。
「日本では台湾のような豪雨は発生しないだろうが、今年の鹿児島県などでも梅雨前線が活発化し短期間に年平均雨量に迫る1000ミリ以上の豪雨になった」と権田准教授。「複合型土砂災害が発生すれば現象がどこまで進行するのかによって、いつどこへ避難しなければならないかが異なってくる。通常の土砂対策とともに備えを考えておくことが大事だ」と指摘します。
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