2010年8月25日(水)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 イギリスを代表する英語の辞書が、『オックスフォード英語辞典』です。50万語以上を収めます▼初版の刊行は、1884年に始まりました。1150年からの文献に残る、すべての語を載せています。年表で「1150年」をみると、「オックスフォード大学創立」のころです。王の権利を制限した「大憲章」(マグナカルタ)の制定より65年早い▼もちろん、英語にも外来語の借用があります。お金の「マネー」のもとはフランス語、戦争の「ウオー」もフランス語の影響、といいます。『オックスフォード英語辞典』は、日本語が源の言葉も400以上収めているそうです▼『英語の歴史』(寺澤盾)という本が、その主な単語を紹介しています。古くは「Kuge」(公家)。1577年、初めて英語の文献に現れました。20世紀は多い。「ikebana」(生花・1901年)をはじめ、「zaibatsu」(財閥・37年)「zaikai」(財界・68年)…▼記憶に新しいところで、「karaoke」(カラオケ・79年)「karoshi」(過労死・88年)「otaku」(おたく・92年)など。そして先日、同じ辞典の新版に「hikikomori」が加わりました。「社会的参加の異常な回避」を意味する言葉として▼人間、ひとりで自分だけの時間を過ごしたり物思いにふけったりするときがあって不思議ではありません。しかし、やはり思います。先の意味の「ひきこもり」や「過労死」は、過去の言葉になってほしい、と。





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