2010年8月23日(月)「しんぶん赤旗」

ALD親の会・夏の勉強会

学び支え合いに希望


 ALD(副腎白質ジストロフィー)親の会(本間りえ代表)は22日、東京慈恵会医科大学で第5回夏の勉強会を開きました。

 遺伝子異常が原因の中枢神経と副腎が侵される難病、ALDの患者は全国に200人ほど。年に1回の勉強会では、患者の子どもを介護しながら情報交換を活発にする姿や、涙をふきながらALDについてのパネルを見る家族の姿がありました。

 3グループにわかれてのセッションでは、それぞれの子どもの様子と介護の仕方や遺伝子カウンセリングなどの議論が交わされました。

 東京慈恵会医科大学の衛藤義勝教授があいさつ。昨年フランスではじめて遺伝子治療が成功したことを紹介しました。

 本間さんの長男でALDの患者、光太郎さん(20)は父親とともに、専用ワープロソフトで「先生、早く病気を治して」とあいさつしました。副代表の三瓶道代さん(42)は「長男(13)が発症したとわかったときは人生のどん底に落とされた気分だったが、親の会があることを知り、仲間がいることで乗り越えられてきた」と振り返りました。

 東京大学大学院の辻省次教授は「ALD研究初めから現在に至るまで」と題して講演。「早期発見が治療には有効。若年者の発症が多く、視力の低下や学業低下が初期に表れるが気づかれにくいことから、医療や学校関係者への認知度を上げる必要がある」と強調しました。今後の課題は、病気のメカニズムの解明と、遺伝子異常でも、発症の時期や病気の型が多様であることの解明だと指摘。「患者数の少ない難病の研究は、製薬会社は関心を示さないことが多い。大学などの研究機関でやる以外にない。基礎研究を含め、難病などの研究を進められるような政治が求められる」と述べました。

 お茶の水女子大学大学院の川目裕教授と都立北特別支援学校の奥山敬教諭も講演しました。

 本間代表は「周りの人にALDのことを知ってもらうところからはじめましょう。研究はすすんでいます。あきらめずに希望をもって活動していきたい」とあいさつしました。





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