2010年8月18日(水)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 冷たい飲み物が買いたくてポケットから小銭を取り出すと、なにやらべとついています。知り合いにもらったばかりのチョコレートが、どろどろに溶けていました▼今夏、チョコレートの売れ行きが落ちているそうです。うなずけます。とろける甘味も、猛暑には勝てないらしい。夏の定番ビールやエアコン、アイスクリームは、売れ行き好調です▼熱中症で倒れる人が続出する惨事をよそに、電器会社やビール会社は、猛暑が続いてほしいと願っているとか。夏物がよく売れると、消費全体も伸びる場合が多い。しかし、猛暑が長引くと夏物の反動が心配です。秋物の売れ行きが、落ちるかもしれません▼4月から6月までの3カ月の国内総生産(GDP)が、1〜3月期に比べ実質でわずかな伸びにとどまりました。物価の影響を含めた、より生活実感に近い名目では、0・9%のマイナス。個人消費の足取りの弱さが響きました▼賃金も伸びず、個人消費は寒さ暑さの天まかせ。折からの急な円高で、輸出頼みの成長にもかげりがみえてきました。大企業が、円高を口実に一段の人減らしや賃金抑え込みに足並みをそろえると、消費は冷え込んでしまいます▼リーマン・ショックから2年近い。リーマン・ショックは、人々の暮らし置き去りで外需頼みの日本経済のもろさをあぶり出しました。今また同じてつを踏み、景気回復の腰を折っています。日本経済の現実は、天まかせやエコポイントなどの一時しのぎですむほど、甘くはありません。





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