2010年7月23日(金)「しんぶん赤旗」

中国炭鉱事故が続発

対策の詰め遅れ響く


図

 【北京=小寺松雄】中国政府が炭鉱事故を防ぐため炭鉱管理者の新たな義務を決めたものの、この1週間、各地で事故が相次ぎ51人の死者・行方不明者がでています。

 陝西省韓城市当局は20日、炭鉱分野に責任をもっていた副市長の免職処分を決め、炭鉱管理者への事情聴取を進めています。

 炭鉱事故については今月8日、国務院常務会議(閣議に相当)が、「炭鉱指導者が労働者と一緒に坑内に入る」基準を厳守させるよう決めたばかりでした。

 しかし基準の最終決定は遅れ、下部への通達はまだ出されていません。担当部局の国家炭鉱安全監督局は22日、本紙に対し「炭鉱の規模などについて最終的な詰めをしており、今週中には出せると思う」と述べました。

 中国メディアも「規定が決まって10日以上たつのに、これらの事故で炭鉱管理者が労働者と一緒に現場に下りていたという事例はない」と指摘しています(広州日報20日付)。

小型鉱閉鎖も

 一方、中国政府は事故防止対策の一つとして生産能力の遅れた中小炭鉱の整理を進めています。国家エネルギー局は20日、今年の1〜5月に安全生産の条件に合致しない小型炭鉱620カ所を閉鎖したことを明らかにしました。


 

連続する事故の概要

 

▽17日、陝西省韓城市の小南溝炭鉱で爆発事故、労働者28人死亡。  

▽同、河南省南汝市の新嶺炭鉱で火災が起こり、8人が死亡。  

▽18日、湖南省郴州市の北湖区炭鉱で爆発事故、2人死亡。  

▽同、甘粛省金塔県の金源炭鉱で浸水事故、8人が死亡、5人が行方不明。




もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp