2010年7月21日(水)「しんぶん赤旗」

列島猛暑

気温上昇 都市化が拍車


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(写真)梅雨明けした東京都内..日.御茶ノ水駅前

 梅雨明け後、太平洋高気圧に覆われてきびしい暑さが続く日本列島。この100年間で都市部の平均気温が急激に上昇していることが気象庁などの調査でわかりました。地球温暖化だけでなく、都市化が夏季の気温上昇に拍車をかけていることに警鐘が鳴らされています。

 気象庁によると、20日の最高気温(午後3時半現在)は群馬県伊勢崎市で38度、岐阜県多治見市で37・3度、大分県玖珠町で36・8度など、各地で体温並みの猛暑に。

 同庁のヒートアイランド監視報告(2010年6月)によると、梅雨前線が停滞して局所的に記録的な豪雨となった九州北部では、夏季で最大で平均気温が2〜3度も上昇。福岡などは、東京・名古屋・大阪の三大都市圏と同程度の割合で上昇し、日最高気温をみると、福岡が100年間で1・6度、長崎が1・6度、佐賀が1・8度、下関が1・9度、大分が2・1度も上昇。東京の1・4度、名古屋の1・0度を上回っています。

 熱帯夜日数も、福岡では1930年以降、10年あたり4・6日の割合で増加し、年間約40日にも。

 東京都市部では100年間で約3度も平均気温が上昇していますが、地球温暖化による変化は約1度の上昇なのにたいし、都市化によるヒートアイランド効果で約2度も上昇。関東地方の過去30年間にわたる気温上昇の特徴として、都心部よりも、その周辺部での気温上昇が顕著になっていることがわかりました。

 一方、ことし6月の世界の平均気温(海面水温含む)は、0・40度(速報値)も平年を上回り、6月としては1891年の統計開始以降、1998年と並ぶ1位タイの高温に。

 気温上昇の要因として、気象庁は「温室効果ガスの大気中濃度の増加に伴う地球温暖化に加えて、昨年夏に発生し本年春まで続いていたエルニーニョ現象の影響が残っている」と指摘。さらに、「10年〜数十年程度の時間規模で繰り返される自然変動が重なっているものと考えられます」と説明しています。

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上昇する日本の6月の平均気温(赤いラインが平年差の長期傾向)





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