2010年7月18日(日)「しんぶん赤旗」

中南米地域会議が各国に要請

女性の地位向上 緊急に


 【メキシコ市=菅原啓】ブラジルの首都ブラジリアで13日から開かれていた中南米カリブ海女性地域会議は16日、女性の社会的、経済的、政治的地位向上に向けて緊急措置を各国政府に要求する最終文書「ブラジリア合意」を採択して閉幕しました。

 会議は、国連中南米カリブ経済委員会(ECLAC)が組織したもの。最終文書は、過去20年間の「成果」として、労働市場における女性の比率が42%から52%へと増加した点を評価。一方で、女性の賃金は男性に比べ8割にも達しておらず、子育てや高齢者の介護が女性の正規就職を阻む役割を果たしている実態も報告しています。

 文書では、チリのバチェレ前政権が、3500カ所の保育所を新設して、とくに貧困層の母親たちの就職を促進した経験が「早急な成果をもたらした」例として高く評価されました。

 また、主婦の家事労働など、賃金をえられない女性の労働が「経済システムに対する目に見えない支援となっている」と述べ、各国政府がこうした労働の重要性を認識するとともに、女性のおかれた状況の改善のため緊急の対策をとるよう勧告しています。

 会議は、女性に対する暴力の実態にも注目。ECLACは、中南米地域の女性の45%がパートナー(夫や恋人)または元パートナーから何らかの暴力の脅しを受けているとの調査結果を発表しました。

 最終文書は、中南米が世界で最も不平等が大きい地域であるとともに、女性たちが「暴力と貧困の主要な犠牲者」となっている地域と表現。女性に対するあらゆる形態の暴力を一掃するための公的措置をとる緊急の必要性を強調しています。

 会議には、地域の33カ国から約700人の政府関係者、女性団体代表らが出席。次回の会議は2013年にドミニカ共和国で開催することが決まりました。





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