2010年6月23日(水)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 またしても、悪夢のような惨劇が繰り返されました。広島市のマツダの工場。元期間工が、労働者らを次々と車ではね、11人を殺傷しました▼真相は定かでありませんが、容疑者は「会社にうらみがあった」と口にしているようです。2年前、東京・秋葉原で元派遣社員が7人を死なせた事件の衝撃は、いまなお生々しい。やはり、6月でした▼菅首相は、日本記者クラブの「9党党首に聞く」で、広島の事件にふれながらいいました。人々が孤立しない助け合いの社会をつくる、と。しかし、困りきっている人々を消費税増税で追い詰めるやり方のどこに、「助け合い」の心があるのでしょう▼「孤立」をめぐっては、ほかにも菅首相にいいたいことがあります。米軍普天間基地の移設話に「けじめがついた」とのべ、沖縄を見捨て県民に孤立感を味わわせているのは首相ではないか▼沖縄はきょう、20万もの人命を奪った沖縄戦の組織だった戦の終わりから65年の日です。「慰霊の日を定める条例」に、沖縄の心が込められています。「戦争による惨禍が再び起こることのないよう、人類普遍の願いである恒久の平和を希求するとともに戦没者の霊を慰める」▼新基地をつくらせない県民の総意も、憲法9条に通じるこの深い願いに根ざします。きょう発効から50年の現安保条約を「破棄すべきだ」「平和条約に」と考える県民は、いまや7割近い。きょう、沖縄と連帯し、「安保」にしがみつく勢力を孤立させるよう政治を前へ、と誓う日です。





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