2010年6月23日(水)「しんぶん赤旗」

主張

安保改定50年

軍事同盟の異常 根本から正せ


 現行の日米安保条約が発効してから、23日で50年です。

 現行安保条約は、1951年に結ばれた旧安保条約を60年に改定した、軍事同盟です。この半世紀に世界の軍事同盟の多くが解体・機能停止し、アメリカ中心の軍事同盟もNATO(北大西洋条約機構)や日米安保条約など、わずかに四つです。世界の流れに反して日米安保条約=軍事同盟を21世紀もこのまま存続させていいのか、その異常を正し、是非そのものを問う議論が求められます。

異常な対米従属

 全国津々浦々から燃え上がり、国会を包囲した大衆行動―。「60年安保」のたたかいを覚えておられる方も多いでしょう。国民の反対運動に押され、現行安保条約の批准は衆院では自民党などが強行可決したものの、参院では採決もできず、条約の発効直後、当時の岸信介首相は退陣しました。

 政府は旧安保条約を改定するさい、「対等・平等なものに改める」などと説明しました。しかしそれがごまかしだったことは、半世紀の実際をみれば明らかです。

 安保条約は、アメリカが望めば、日本が米軍基地を提供するしくみになっています。現在も国内には84の専用基地を含む多くの米軍基地が置かれ、80年代以降、自衛隊との共用を含む基地の面積は2倍以上に広がりました。

 安保条約は「日本」の安全と「極東」の平和・安全の維持のために米軍が基地を使用すると定めているのに、実際には日本を足場に遠く離れたイラクやアフガニスタンなどで侵略戦争をくりかえしています。海兵遠征軍や空母打撃群など、在日米軍は侵略戦争の「殴り込み」部隊として機能しています。

 在日米軍による事件・事故・犯罪・住民生活への被害はきわめて深刻です。にもかかわらず日本政府はその責任を追及するどころか、在日米軍経費を「思いやり」予算などとして負担してきました。

 「事前協議」制度は、核兵器の持ち込みを認めた「密約」などで、まったくの「虚構」にすぎないことが明らかになりました。政府は民主党に代わっても「密約」を廃棄しようとしません。

 安保条約によって、自衛隊の海外派兵の本格化と、海外での日米共同作戦態勢の強化も進んでいます。在日「米軍再編」は日米の軍事一体化を図り、基地体制を抜本的に強化するものです。

 こうした日米安保条約の異常な不平等性、従属性、侵略性の深さは、世界の軍事同盟の中でも突出したものです。日米安保条約は、アジアと世界の平和を脅かす元凶です。憲法の平和原則とは根本的にあいいれない安保条約の廃棄を、国民が求めるのは当然です。

安保廃棄の声大きく

 とりわけ矛盾が深刻なのは米軍基地が集中する沖縄県です。地元紙などの調査で、安保条約を「破棄すべき」と「平和条約に改めるべきだ」が合計で68%を占めました。米海兵隊普天間基地の撤去を求めるなかで、県民が安保廃棄の声を強めているのは明白です。

 いま日本の政治では、財界とともにアメリカにものの言える政治が求められています。普天間基地の無条件撤去を求めるとともに、安保条約を廃棄し対等・平等の日米関係をめざす日本共産党の躍進こそが、基地のない平和な日本を切り開く最大の保証になります。





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