2010年6月16日(水)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 1秒間に80メートル以上の速さで急降下し獲物を捕らえる鳥、ハヤブサ。探査機「はやぶさ」も、小惑星イトカワから素早く岩石を採ってこようとしました▼3億キロかなたの小惑星に降り立ったものの、岩石は採れませんでした。しかし、期待をつなぎます。もし地球に帰ってきたカプセルに砂が入っていれば、太陽系の誕生の謎ときに役立つかもしれません▼7年間にわたる「はやぶさ」の宇宙の旅は、波(は)瀾(らん)万丈でした。イトカワ着陸に失敗したかと思えば、ちゃんと着いていた! 帰り道に燃料がもれ、一時は行方不明に。さあ地球へ帰るという段になり、エンジンの寿命がつき…▼技術陣は、万事休すかと気をもむ危機を工夫でしのぎ、「はやぶさ」不死鳥伝説を生みました。七転八倒、七転び八起き。お待たせ、3年遅れの帰還。流れ星と化して燃えつきながらカプセルを届けきった、けなげな「はやぶさ」です▼「はやぶさ」技術陣を率いた川口淳一郎さんが、昨日付本紙「ひと」欄で振り返っています。「やるべきことをやり尽くす」意地。チーム一丸の創意工夫。読みながら、前夜のサッカー・ワールドカップの熱戦を思い出しました。日本代表が、チーム一丸でカメルーン代表を破った試合です▼実況のアナウンサーが、岡田武史監督の言葉を紹介していました。「やるべきことはやった」―。お二人の熱い「やるべきことをやる」に感じ入ったのは、もちろん時節柄でもあるでしょう。参院選の公示まで、あと1週間あまりと迫ります。





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