2010年6月10日(木)「しんぶん赤旗」

B型肝炎訴訟

救済へ首相は面談を

原告ら厚労省前で宣伝


 幼児期の集団予防接種でB型肝炎ウイルスに感染させられて肝臓病になった被害者が国に損害賠償を求めた全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団は9日、東京・霞が関の厚労省前で早期全面解決を求めて宣伝しました。

 菅直人首相に面談を要請するとともに、長妻昭厚労相には、予定されている21日の進行協議では国としての和解案を提示するように要請書を提出しました。

 慢性肝炎で大動脈瘤(りゅう)をかかえる広島訴訟原告の横山真由美さん(56)は「体調が悪化してからでは遅い。上京できるのは今しかない」と、厚労省前でマイクを握りました。

 横山さんは、2003年2月に慢性肝炎と診断され、次々と不幸が襲いました。インターフェロンの治療を始めましたが効果はありませんでした。翌年1月に夫が病気で亡くなりました。07年には、長男も感染していることが分かりました。

 「息子にもつらい思いをさせると考えますと、(母子感染したことが)悔やんでも悔やみきれません。早く解決してください」と早期解決の必要性を訴えました。

 北海道訴訟の女性原告(50)は19歳のときに献血をしたことからB型肝炎に感染していることがわかりました。23歳のときに長女を出産。医師から「予防接種で感染したのではないか」と説明されました。

 「病をおして上京した」という原告女性は、「最大の不幸に見舞われています。人の命の重さを比較するのではなく全員の救済に踏み出してください」と訴えました。





■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp