2010年6月4日(金)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 南アフリカで開かれるサッカー・ワールドカップまで、あと1週間。アフリカ大陸で初めての大会です▼先ごろ、日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会の常任理事、高林敏之さんの話を聞く機会がありました。興味深い事実を教わるうちに、いかにアフリカを知らないか恥じ入ったしだいです▼たとえば、なにげなく書いたり話したりする「族」という言葉です。ツチ族とかフツ族。高林さんによれば、アフリカを植民地にしたヨーロッパ列強が、住民を一方的に「部族」と定めました▼列強は、アフリカ大陸に縦横斜めの線を引き国境を決めます。白人支配の「国」の内外に住むさまざまな集団を、「国」を形作る「民族」の域に達しない「部族」と見下しました。そんな訳で、人口が1千万もの「部族」もいます。高林さんは、“部族とは民族”という説をとっています▼高林さんは、アフリカの変化に注目するよう促します。ツチとフツの悲惨な紛争に終止符を打ったルワンダの、国会議員の56%が女性。世界一高い割合です。女性の国会議員の多い上位50カ国のうち、アフリカが14カ国を占めます。日本は、95位にすぎません▼昨年、アフリカ非核兵器地帯条約(ぺリンダバ条約)が発効しました。02年に発足し地域協力を進めるアフリカ連合(AU)は、紛争の平和解決の追求や民主的な国連改革の提言などで、存在感を示しつつあります。貧困はいぜん深刻で紛争も残りますが、日本がアフリカから学ぶことは多いようです。





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