2010年5月20日(木)「しんぶん赤旗」

緊張生み情勢悪化招く

貨物検査法案 衆院委で可決

赤嶺議員が反対討論


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(写真)質問する赤嶺政賢議員=19日、衆院国土交通委員会

 衆院国土交通委員会は19日、北朝鮮を対象とした貨物検査法案を採決し、与党と公明党の賛成多数で可決しました。日本共産党は反対しました。

 同法案は、北朝鮮に対し、再び核実験・ミサイル発射を行わず、核計画を停止するよう要求した昨年6月の国連安保理決議1874の「実効性確保」を口実にし、「特定貨物(武器)」の積載が疑われる船舶に公海上で立ち入り検査を行えるようにするもの。

 反対討論に立った日本共産党の赤嶺政賢議員は「日本は北朝鮮に対する輸出入全面禁止と全船舶入港禁止の措置をすでに実施しており、最も厳しい措置で国際的包囲網に協力している。貨物検査の対象となるべき船舶や貨物はそもそも日本に入っておらず、法案は貨物検査を口実に日本の領海外の公海で海上保安庁と自衛隊が一体で出動し北朝鮮に軍事的圧力をかける態勢をつくるものにほかならない。あらたな緊張を生み出し情勢の悪化を招きかねない」と反対の理由を述べました。

 採決に先立つ質疑で赤嶺氏は、決議1874に基づく公海上での各国の貨物検査実施状況をただしました。前原誠司国交相はいずれも自国の領域内で検査を実施し武器を押収していることを答弁しました。

 赤嶺氏は、「各国が協力・連携しつつ自国の領域内で検査を実施すれば安保理決議に基づく武器の禁輸措置は十分可能だ」と指摘しました。

 また、政府はこれまで「特定貨物」の指定について「国連の委員会による指定を受けて政令に反映する」と説明。しかし、三日月大造国交政務官は指定の期限とされた決議採決後30日を経過した後も委員会で指定されていないことを明らかにし、政府として「軍需品リストとして国際社会での取引や管理における相場観を示すものに基づき規定していく」と答弁しました。

 楠田大蔵防衛政務官は、自衛隊が公海上で監視・追尾活動を行うとの考えを示しました。赤嶺氏は「自衛隊が付きまとって監視・追尾を行うことで海上警備活動を発令する事態を招きかねない」と指摘しました。





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