2010年4月28日(水)「しんぶん赤旗」

「地域主権改革」一括法案など3案

参院委 山下氏の反対討論


 日本共産党の山下芳生議員が27日の参院総務委員会で行った「地域主権改革」一括法案など3案に対する反対討論は以下の通りです。


 「地域主権改革一括法案」について反対の第一の理由は、「地域のことは、地域の住民が責任をもって決める」という「地域主権改革」の名の下に、福祉や教育におけるナショナルミニマムを保障する国の責任を放棄するものだからです。

 法案は、保育所や児童養護施設、知的障害児施設など、児童福祉施設の最低基準をなくし、都道府県の条例に委任することとしています。

 しかし、最低基準には、子どもたちが健やかに発達できる環境を国が保障し、その水準は時代とともに引き上げることが明記されています。現在、世界と比べて極めて低い水準にあるとはいえ、国の財政保障の基準となるなど、重要な役割を果たしており、絶対になくしてはならないものです。

 しかも、都道府県の条例の基準となる厚生労働省令が、現在の最低基準よりも下がるのか、上がるのか、同一なのかと、私が再三追及し、明らかにするよう求めたにもかかわらず、いまだに政府は、国民にも国会にも内容を示すことができないのです。これでは国会としての責任を果たすことができません。

 さらに、審議の中で、子どもたちの命にかかわる保育所の避難用すべり台の設置も義務付けられないことが明らかとなったことは重大です。

 第二の理由は、鳩山内閣の「地域主権改革」は、自民党政権がつくった「地方分権改革推進委員会」の勧告をすべて受け入れた上で、一気に加速させるものであり、その司令塔となる「地域主権戦略会議」の設置を認めることはできません。

 次に、国と地方の協議の場に関する法案については、「地域主権改革の推進」を目的とし、協議の場の構成メンバーに「地域主権改革担当大臣」が含まれることには反対です。

 地方自治法改定案については、現行の法定上限は自治体の議員定数の目安となっており、これを撤廃すれば、議員定数の歯止めのない削減に拍車をかけることになります。

 また、行政機関等の共同設置によって、徴税などの業務が住民から身近でなくなり、納税者の権利が脅かされる恐れがあります。

 なお、自民党および公明党の修正案については、政府案の性格を基本的に変えるものではなく、賛成できないことを申し上げて、討論を終わります。





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