2010年4月28日(水)「しんぶん赤旗」

今年も下落

高卒就職内定率


 「高校生と教職員が悲鳴をあげている」。日本高等学校教職員組合(日高教)と全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)は27日、「2009年度 高校生の就職内定実態調査」を発表しました。就職内定率は「派遣切り」「内定取り消し」がまきおこった昨年をさらに下回り、就職活動のルール破壊が広がる実態が浮かび上がりました。

 調査は2010年3月時点で、29道府県の509校、8万2797人の生徒を対象に行い、就職希望者は2万5020人(卒業生の30・2%)でした。

 01年度から上昇していた内定率は、08年度下落に転じ、09年度は90・2%と、08年度を1・4ポイント下回りました。特に女子が2・6ポイント減と落ち込みが激しく男女間格差が8・5ポイントに拡大しました。

 地域別内定率では、近畿地域が89・7%、北海道・東北地域が85・0%と80%台にとどまりました。

 「就職をあきらめた者」を調べたところ、総計で2274人にのぼりました。これは求人解禁となる昨年7月時点の就職希望者の8・6%にあたります。

 会見で佐古田博日高教副委員長は「あきらめた人を加えた内定率になおせば、85%まで引き下がる」と指摘しました。

 就職ルールが壊され、「内定取り消し」「求人取り消し」は根絶されず、面接から不採用通知まで2カ月以上待たせるなどルール違反の報告は80校265件と昨年度の2倍以上となっています。

 佐古田副委員長は、就職ルールの法制化、公的職業訓練の整備などを求めました。

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