2010年3月25日(木)「しんぶん赤旗」

非核三原則 米国任せで守れるか

「核密約」破棄迫る

参院予算委で井上議員


 日本共産党の井上哲士議員は参院予算委員会の締めくくり質疑で24日、日米間の核持ち込みの「密約」問題に関係して、アメリカ側にものを言わない姿勢で「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」の「非核三原則」を守る担保が、どこにあるのかとただしました。


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(写真)質問する井上哲士議員=24日、参院予算委

 井上氏は、日米間の「密約」を調査した有識者委員会の報告書では、アメリカ側が日米間で合意された「討論記録」(1960年1月署名)に基づき、「核搭載艦船の日本寄港は事前協議の対象外との立場をとり続けた」としていることを指摘し、「アメリカの今日の立場は変わったのか」と質問。岡田克也外相は、「アメリカの解釈は変わっていない」と答弁しました。

 井上氏は、アメリカの立場をそのままにすれば「非核三原則」と矛盾するとして、「アメリカに対して核搭載艦船の寄港は事前協議の対象であって、寄港は許されないと通告し、解決すべきではないか」と提起。それに対し、岡田外相は94年の米「核態勢の見直し」政策をあげ、「現実に問題になりえないから(通告)する必要ない」などと、アメリカ側の立場を放置する考えを示しました。

 井上氏は「それでは自公政権とどこが違うのか」と批判。米「核態勢の見直し」でロサンゼルス級攻撃型原潜には「核巡航ミサイルを配備する能力は維持する」としていることをあげ、核持ち込み可能の態勢は続いていると指摘しました。

 岡田外相は「アメリカの基本的な核政策を変えるということは(日本がアメリカの核抑止に依存する)『核の傘』を危うくする」と答え、鳩山由紀夫首相も「非核三原則」は「国是であり、これからも堅持する」と述べる一方、「アメリカのNCND(核兵器の存在を否定も肯定もしない)政策を理解すべきだ」と答弁しました。

 井上氏は「結局、国是といいながら、『非核三原則』を守れるかどうかはアメリカ任せだということだ。『討論記録』を『密約』と認めないから破棄する立場に立てない。『討論記録』をきちんと『密約』と認め、破棄し、『非核三原則』を現実のものとすべきだ」と主張しました。





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