2010年3月16日(火)「しんぶん赤旗」

脱貧困、温暖化対策の糧

途上国 広がる小口融資

マイクロファイナンス


 経済的弱者向けの小口融資「マイクロファイナンス」を中心事業とする世界の銀行ネットワークが、融資対象者を大幅に拡大する取り組みを強めています。これまで発展から取り残されてきたり、気候変動の影響を大きく受けたりする人々が、恩恵を受けられるようにするのが目的です。(山田芳進)


 世界の11金融機関でつくるネットワーク「価値観を重視する融資のための世界連盟(GABV)」はこれまで、20カ国の700万人以上に融資。主に途上国において貧困から脱する生活基盤構築などを促しています。昨年、2020年までに利用者を10億人に拡大するキャンペーンを開始しました。

 同ネットワークはこのほど、バングラデシュのダッカで総会を開催。ロイター通信によると、最終日の9日、グループの共同創始者でオランダのトリオドス銀行のブロム氏は記者会見で、「(社会的)価値観を重視した融資は10年以内に(地球人口の)6人に1人の生活に積極的な違いをつくり出すことができるし、そうしなければならない」と強調しました。

 キャンペーンでは、これまで融資から除外されてきた地方の事業や温暖化対策計画などへの20億ドルの融資に向け、2億5千万ドルの資本増加を目指しています(11社の資産合計額は140億ドル)。

 総会では資金調達について議論され、共同創始者でもあるバングラデシュの非政府組織BRAC(バングラデシュ地方発展委員会)のアベド氏は「数カ月以内に1億4千万ドルの調達が可能だ。残りも3年以内に実現するのは難しくないだろう」と述べました。


 マイクロファイナンス 一般の銀行では融資が得られない人々のほか、地元で行う小規模な経済活動や社会的意義のある事業のために小口融資する制度。バングラデシュのグラミン銀行が有名。


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