2010年3月11日(木)「しんぶん赤旗」
新入植地拡大を非難
米副大統領 イスラエル計画に
中東和平交渉 波乱の出足
【カイロ=松本眞志】バイデン米副大統領は9日、イスラエルがパレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区で入植地拡大を計画していることについて、「信頼を損なう」と非難しました。訪問先のエルサレムで表明しました。
問題となったのは、イスラエル側がエルサレムに「併合」したとするラマト・シュロモ入植地。イスラエル内務省は、1600戸の新住宅を建設する計画を、バイデン氏到着の翌9日に発表しました。
バイデン氏は、中東和平間接交渉への米側の努力をあからさまに無視したイスラエル側に怒りを表明しました。同日ネタニヤフ首相と夕食をともにした後、「新住宅建設の計画を推進するというイスラエル政府の決定を非難する」との声明を発表しました。
声明は計画について「われわれが必要とする信頼を損ない、私が責務を負う建設的協議への打撃となる」と批判しています。
オバマ米政権は今月初め、4カ月間の猶予を前提に米国を仲介者とする間接交渉を提唱。将来のイスラエル・パレスチナ国境問題やエルサレムの帰属問題などを協議するとしていました。
バイデン氏はエルサレム訪問後にパレスチナ自治政府のアッバス議長との会談を予定しています。イスラエル側の姿勢は、オバマ米政権が提唱した間接外交の出はなをくじく形となりました。
アッバス氏側近のアブルデイナ氏は「イスラエルは交渉にも和平にも関心をもっていない」と指摘。「新住宅建設問題は間接交渉の障害になる」との認識を示しました。
国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長も、国連報道官を通じて「イスラエルの新住宅建設計画の承認を非難する」と表明しています。一方、イスラエルのイシャイ内相は「だれに対しても挑発するつもりはない。計画の最終決定は数カ月後になる」と釈明しました。

