2010年2月5日(金)「しんぶん赤旗」

ドイツ公務員がスト

5%賃上げ求め2万2000人


 ドイツの国家・地方公務員は3日、5%の大幅な賃上げを求め、南部のバイエルン州を中心に各地で警告ストを行い、ドイツ公共第1テレビ(ARD)によると、約2万2000人が参加しました。各地で病院の職員や保育士、公共交通の労働者、ごみ収集の労働者などがストに参加し、職場集会やデモを実施しました。統一サービス産業労組(ベルディ、227万人)とドイツ公務員連盟が呼びかけたもの。

 ドイツでは、世界金融・経済危機の中、2009年の経済成長率がマイナス5%を記録しました。ドイツの地方自治体も外国企業の撤退や税収の落ち込みなど財政事情が厳しい状況が続いています。

 この中で、労組側は「景気の回復には、労働者の賃上げで内需を引き起こすことが必要」(ベルディのブジリスケ委員長)と主張。これまで2回の交渉で回答を拒んできた使用者側に対し、ストに踏み切りました。警告ストは4日には、バーデン・ビュルテンベルク、ノルトラインウェストファーレンの両州を中心に予定されるなど次の交渉日の10日までほぼ連続的に実施されます。

 ロイター通信によると、3日、バイエルン州ミュンヘンの病院の前で看護師のセシリエ・ワイスさんは「危機の犠牲にはならない。金持ちこそもっと税金を」との横断幕を掲げました。ワイスさんは「銀行は(支援を受けて)危機から救われているけど、公共サービスに使える金はないのか」と訴えました。

 労組側は正規労働者の賃上げのほかに、教育訓練職の正規労働者への昇進の可能性の拡大や、退職前の高齢労働者の労働協約に基づくパート労働を認めよと要求しています。

 ドイツでは08年に州の公務員が4・2%の賃上げを勝ち取っています。



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