2010年1月28日(木)「しんぶん赤旗」

アフガン支援 軍事化に警告

“人々を危険にさらす”

国際8団体


 アフガニスタン支援が「軍事化」し、逆に現地の人々を危険にさらしている―。アフガンで支援活動に取り組む諸団体が27日、報告書でこう警告しました。ロンドンで28日に開かれるアフガン問題の国際会議に向け、各国に支援のあり方を見直すよう求めています。(安川崇)


 「『即効』はすぐ破綻(はたん)する―軍事化したアフガン支援の危険性」と題するこの報告書には、国際支援団体オックスファム・インターナショナルなど8団体が署名しています。

 8団体による報道発表によると、報告は米軍が民生支援を「武装勢力撃退のため、現地住民の人心を掌握する武器」と位置づけていると指摘しています。また、軍が建設した学校や診療所は武装勢力の標的になっているとして「支援の軍事化が、一般市民を紛争の前線に引き出している」と述べています。

 アフガンでは、米国などの軍が文民とともに地域復興チーム(PRT)を組織し、「民生支援」を展開しています。学校建設や医薬品の配布など、小規模でも成果の見えやすい「即効プロジェクト」に重点を置いています。

 支援団体は、これについて「持続的な発展をもたらさない」と批判。軍主導の人道支援は、短期的な治安維持の観点から実施されるとして、「しばしば効果がなく、無駄で、アフガン人に有害な場合さえある」としました。

 その上で、ロンドンでの会議の参加国に軍事的アプローチによる支援を見直し、現地のニーズに応じたものに転換するよう求めました。

 オックスファムのアフガン担当責任者のジャクソン氏は「アフガンに『即効』はなく、近道するべきではない。現地の人々は何十年も貧困や紛争とたたかっており、長期的視野での解決を必要としている」と述べています。



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