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2010年1月9日(土)「しんぶん赤旗」

11年度から一般財源化 総務省方針

子育て政策の国負担分

私立保育所の運営費など


 私立保育所運営費の国庫負担金など地方自治体の子育て政策にかかわる国の負担分を2011年度から一般財源化する方針で総務省が検討を進めていることが8日までにわかりました。

 同省は、昨年12月25日に発表した「平成22年度地方財政対策の概要」の中で、子育て支援策における国と地方の負担のあり方を示す「イメージ図」を公表しました。(図)

 それによれば、11年度以降、事業主・国・地方が負担している児童手当を廃止して子ども手当を全額国費で支給する一方、「子育て政策」については全額地方の負担とすることを今後の検討課題としています。同「概要」では、今年度中に「地域主権戦略会議」などで議論するとしています。

 同省の担当者は、「子ども手当のような現金給付は国が一律に支給するが、保育などの現物給付、対人サービスはそれぞれの地域で創意工夫するべきだ」と説明。私立保育所運営費の国庫負担金や延長保育への「ソフト交付金」などを廃止して一般財源化する方向が「省としての考えだ」と述べました。「広くいえば幼稚園なども(一般財源化の対象に)入ってくるかもしれない」との考えも示しました。

 私立保育所運営費の一般財源化は、10年度予算案の編成にあたって、子ども手当の財源探しのなかで原口一博総務相が持ち出したもの。保育関係者の反対で10年度は見送られた経緯があります。

 国庫負担金や補助金は事業の財源に国が責任を持つもので、配分された税金の使い道が決められています。一般財源化とは、これらを廃止し、地方自治体の裁量で使える地方交付税などにかえることです。

 公立保育所運営費の国庫負担金は04年度に小泉・自公政権の「三位一体改革」で地方交付税の大幅削減と同時に一般財源化され、6割を超す市町村が保育予算削減に追い込まれました。公立保育所の廃止・民営化、保育所建設の抑制、保育士の非正規化・非常勤化が各地で進みました。

 私立保育所の運営費負担金は現在、国が2分の1、都道府県と市町村がそれぞれ4分の1の割合で負担しています。


 ソフト交付金(次世代育成支援対策交付金) 市町村による各種の子育て支援事業計画の全体に対して国が包括的に交付金を出す制度で、2005年度につくられました。11時間を超す延長保育に対しては補助金が出されていましたが、05年度に公立保育所については一般財源化され、私立保育所についてはソフト交付金にかえられました。

図


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