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2010年1月5日(火)「しんぶん赤旗」

南北間の常設機構を

新年演説 韓国大統領が提案


 韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領は4日、テレビを通じた新年演説で「今年は南北関係でも新たな転機にしなければならない」と述べ、北朝鮮に「対話のための常設機構」の設置を提案しました。

 李大統領は北朝鮮に対し、核問題をめぐる6カ国協議への復帰を求めた上で、「朝鮮半島の非核化が進展し、本格的な南北協力の扉が開かれることを期待する」と表明。「南北間の日常的な対話のための機構が準備されなければならない。北朝鮮も心を開き、対話と協力の道に踏み出すことを期待する」と語りました。

 李大統領は演説後、記者団に対し、「対話のための機構」について、「かつて、米ワシントン・ポスト紙とのインタビューで明らかにした内容だ」と述べました。

 李大統領は08年4月、同紙とのインタビューで「常設の南北連絡事務所」の設置を提案。連絡事務所の代表者についても「双方の最高責任者(首脳)と直接、話せる位置にある人物であるべきだ」と述べていました。

 北朝鮮は当時、「世論の視線をそらすための浅知恵」(朝鮮労働党機関紙・労働新聞)などと拒否し、実現しませんでした。

 夕刊紙「文化日報」4日付は李大統領の提案について、「これまでのものとは実質的に異なるというのが青瓦台(大統領府)の評価だ」と報じました。同紙は「昨年8月から北朝鮮の融和ジェスチャーが感じられ、今年の新年辞(年頭の三紙共同社説)でも対話に対する強い意思が表明された」との青瓦台関係者のコメントを紹介。李大統領の提案は「北朝鮮が聞くかどうかにかかわらず、一方的に呼びかけるような政治スローガンではない」と指摘しました。

 北朝鮮の労働新聞など3紙は、国政運営方針などを示す1日付の共同社説で「北南関係を改善しようというわれわれの立場は確固不動だ。北南対話と関係改善の道に踏み出さねばならない」と表明していました。



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