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2009年12月21日(月)「しんぶん赤旗」

医療改革案、可決へ

米上院 公的制度は盛り込まず


 【ワシントン=小林俊哉】米上院の与党・民主党指導部は19日、焦点の医療改革法案の修正協議を終え、ハリー・リード院内総務が修正案を提出しました。早ければ21日にも可決される見通しです。

 同党指導部は、妊娠中絶への規制強化を求めて最後まで法案に反対していた党内保守議員との調整を終えたと発表。野党・共和党の議事妨害を阻止して法案可決に必要な60票を確保したもようです。

 メディアによると、修正案によって、公的医療保険の対象とならない65歳以下の国民のうち、94%が何らかの医療保険に加入できるといいます。米国の無保険者は4600万人に上りますが、同案によって無保険状態が解消されるのは3000万人と推定されます。

 全世代を対象とする政府主導の公的医療保険制度の創設は、盛り込まれませんでした。一方で、新たな保険市場を創設して、政府が指針を定める民間非営利保険者が運営する保険に加入できる制度をつくるとしています。

 また、保険会社に対し、病歴を理由として子どもに保険を拒否することを禁止。保険料収入の80〜85%を実際の医療費支払いにあてるよう規制することも盛り込みました。

 一方で財源対策の一環として、高額所得者への増税も定めています。

 同改革は、オバマ政権の内政上の最重要課題です。民間保険会社に適正な競争をさせることで保険料を下げ、不公正な保険拒否を解消して、保険加入者を増加させることが主眼となっています。

 下院では、公的医療保険制度創設などを盛り込んだ法案が11月に可決されています。上院で法案が可決された後、両院による調整に焦点が移ります。



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