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2009年11月18日(水)「しんぶん赤旗」

いまの年金制度はどうすべきだと考える?


 〈問い〉「100年安心」と言われた年金は不安が広がるばかりです。日本共産党はどうすべきだと考えますか。(東京・一読者)

 〈答え〉年金制度の最大の問題は、無年金・低年金者が膨大なうえ、原則として保険料を25年以上も払い続けなければ受給できないことです。

 国民年金だけの受給者は平均月額4万7千円で、日々の生活にも事欠く低額です。40年間保険料を払った場合に受給できる老齢基礎年金の満額(月額6万6千円)受給者も少数で、平均すると男性5万3千円、女性4万6千円にすぎません。

 社会保険庁の調査では無年金者は約100万人、こんご保険料を払い続けても受給要件25年の加入期間を満たさない人と合わせると118万人にのぼります(2007年4月1日現在)。非正規労働者が増え、厚生年金の加入者が減っているもとで、無年金・低年金者がさらに増加するおそれがあります。

 とくに25年以上という長期間にわたって保険料を払わなければ、年金が1円ももらえないという非情な制度は、日本だけです。アメリカ、韓国は10年です。ドイツ、イタリアは5年、イギリス、フランス、オランダなどは資格期間がありません。カナダ、オーストラリアなどのように居住年数で10年と定めている国もあります。

 先の総選挙でも各党が年金改革を公約し、自民・公明は受給要件の10年への短縮を共通政策に掲げました。自民は3年かけて無年金・低年金対策を講じるというものですが、単純計算でも10年加入で月額1万6500円にしかなりません。民主は最低保障年金7万円を打ち出しましたが、完全実施に20〜40年かかるうえ財源に消費税をあてるなど問題があります。

 日本共産党は、無年金・低年金者をなくすため、受給要件の10年以上への短縮と、全額国庫負担による最低保障年金制度を創設します。当面月5万円の最低額を保障し、これに払った保険料に応じた額を上乗せします。これで無年金は解消し、国民年金の満額受給者は8万3千円に上がります。低額の厚生年金も同様に底上げします。(清)

 〔2009・11・18(水)〕


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