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2009年11月16日(月)「しんぶん赤旗」

写真家たちの見た水俣病

一日も早い全面救済を

横浜・シンポ


写真

(写真)「写真家たちの見た水俣病、過去と今」をテーマに開かれたシンポジウム=15日、横浜市

 横浜市中区のJICA横浜で15日、シンポジウム「写真家たちの見た水俣病、過去と今」が開かれました。同所で開催中の「ノーモア・ミナマタフォーラム」写真展(「水俣を見た7人の写真家たち」)の写真家によるもの。「水俣病の提訴(熊本)から40年、いまなお続く被害。知ってください、水俣病を」と、いまも新たな水俣病患者が生まれ、理不尽な公害に苦しめられている現実を告発し、一日も早い全面救済をアピールしました。

 パネリストは、写真集「生(いのち)」を出した田中史子さん、水俣に移住した経歴をもつ小柴一良さん、初の写真集を出版予定の宮本成美さん、写真集「水俣」などを出してきた桑原史成さんの4人です。

 桑原さんは「初めて水俣に入ったのは1960年8月だった。以来、ほぼ時系列で撮り続けた600本のフィルムのひとコマ、ひとコマが、この公害を記録している。伝えなければならないのは、潜在患者が不知火海沿岸住民の中に多数いるのに、認定患者がはるかに少ないことです」。

 小柴さんは「水俣を出て以来、3年前から今の水俣も撮り始めた。30年ぶりに胎児性患者の友だちに再会し、どうしても彼らの生きざまを伝えたいと思う」と語りました。

 宮本さんは「これから生まれてくる子どもたち、死んでしまった人のことを忘れてはいけない、だからいまいわなければならないことがある」ときり出し、「水俣病特別措置法はチッソという加害企業を救う法律です。いまだに、潜在患者が救われず、根本的に解決してない」と政府の姿勢を批判しました。

 田中さんは「苦しみを伝えてほしいという慢性の水俣病患者さんのそばにくっついて話を聞き、撮ってきました。かつての劇症の水俣病とは違う、患者の慢性の苦しみを知ってほしい」と訴えました。



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