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2009年11月16日(月)「しんぶん赤旗」

ASEAN首脳との初会合

米の「アジア重視」示す


 オバマ米大統領が15日、シンガポールで東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟10カ国の首脳と米国の大統領として初めて会談し、双方の関係強化をうたう共同声明を発表したことは、「アジア重視」の表れといえます。

 同声明は、アジアの平和と安定への協力で積極的、建設的な役割を果たすASEANに対し、米国の協調姿勢を鮮明に示しました。

 イラクやアフガニスタンへの戦争、昨秋以降の世界金融危機で国際的地位が相対的に低下する米国が、経済発展がめざましい中国やインド、ASEANが台頭するアジアの新たな状況に対応したものです。

 米国は今年7月、ASEANとの協力の基礎となる東南アジア友好協力条約(TAC)に加入しました。ASEANの基本条約とされるTACは、独立と主権の尊重、紛争の平和的解決、武力による威嚇と武力行使の放棄を国家間の規範と定めています。

 TAC加入調印時の記者会見でクリントン米国務長官は、「米国は東南アジアに戻ってきた。この地域が、世界の進歩と平和、繁栄にとって死活的に重要であると考えている」と述べました。

 アジア歴訪で日本に立ち寄ったオバマ大統領は14日、東京でのアジア外交演説で、旧来の2国間軍事同盟に依拠することを強調する一方、「ASEANは東南アジアとの対話、協力、安全保障の触媒であり続けるだろう」と指摘。ASEANが中心になって2005年から開かれている、東アジア共同体を展望した東アジア首脳会議(EAS)にも、「米国がより正式な形で関与することを待望している」と述べました。

 米大統領がEASへの出席に言及したのはこれが初めてです。EASにはASEAN10カ国と日本、中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランドが参加。EASではASEANが「運転席」の任務を担うことが確認されています。(宮崎清明)


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