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2009年11月6日(金)「しんぶん赤旗」

「ビラ配布逮捕」に警鐘

日弁連 表現の自由考えるシンポ


 日本弁護士連合会の第52回人権擁護大会が5日から2日間の日程で、和歌山市内で始まりました。5日は三つのシンポジウムが催され、「いま表現の自由と知る権利を考える」をテーマにした第1分科会には全国から弁護士や市民ら約620人が参加。政治的なビラを配布しただけで逮捕・起訴され有罪となる状況を厳しく批判しました。

 人権擁護大会で表現の自由問題を本格的に取り上げたのは初の試みです。基調報告書は、日本共産党のビラを配布して逮捕・起訴された葛飾ビラ配布弾圧事件、国公法弾圧堀越事件、世田谷国公法弾圧事件や市民団体メンバーの自衛隊官舎へのビラ配布で有罪が確定した立川事件などの事例を紹介。「日弁連は(ビラ配布などへの)制約を見過ごすと、表現の自由に対する制約がより拡大しかねないと危惧(きぐ)している」と警鐘を鳴らしています。

 「表現の自由保障の現状と課題」と題して立命館大学法科大学院の市川正人教授が基調講演。簡易で安価なビラの戸別配布が市民の表現手段として大きな意義があると指摘。「裁判所が大衆的宣伝にたいする規制にチェックの役割を果たしていない」と批判しました。

 事件の当事者として葛飾事件の荒川庸生さんが、「私の事件の最高裁での判決は、日本の民主主義の分水嶺(れい)となる」と裁判勝利への決意を語りました。

 表現の自由や裁判所の現状などを考えるパネルディスカッションもおこなわれました。


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