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2009年10月31日(土)「しんぶん赤旗」

夫婦別姓が導入されないのは日本だけ?


 〈問い〉 夫婦別姓の導入が先延ばしされています。世界の動きや、日本共産党の見解を教えてください。(東京・一読者)

 〈答え〉 希望すれば夫婦が違う名字(姓)を名乗れる選択的夫婦別姓は世界の流れとなっています。男女共同参画会議の「選択的夫婦別氏制度に関する審議の中間まとめ」(2001年)も、日本以外の「主要な先進諸国において、夫婦同氏を強制する国は見られない」と認めています。その後、妻の姓を名乗れなかったトルコやタイで、法改正をしています。

 日本は、妻の96%が夫の姓に変えています。改姓により「自分でないようで苦痛」「同一人物と思われず仕事の機会を失った」などの不利益を被ることがあります。一定の職場で旧姓使用は認められてきたものの、パスポートや免許証などは戸籍名が原則で、不便さや不利益は続いています。改姓を避けて事実婚をすれば、相続権はなく、子どもは婚外子となります。

 日本共産党は、個人の尊厳と男女平等の立場から、他党に先駆けて87年に「女性の地位向上のために国内行動計画についての申し入れ」で選択的夫婦別姓の導入を政府に求めました。97年の民法改正案大綱にも盛り込み、98年からは他の野党とも共同で民法改正案を国会に繰り返し提出しています。

 国連女性差別撤廃条約は、姓の選択について夫と妻に同一の個人的権利を保障すべきだとしています。国際機関は日本政府に民法の男女差別的な条項を見直すよう何度も勧告しています。8月には女性差別撤廃委員会が、政府のとりくみが不十分なことは「遺憾」だとし、早急に対策を講じ2年以内に報告するよう政府に求めています。

 法務省法制審議会は96年に選択的夫婦別姓の導入を答申しました。13年もたつのに実現しないのは、政界の中枢に戦前の社会を理想とする人々がいて「家族の一体感を損なう」と反対したからです。

 政権が変わり千葉法相らが改正に意欲を見せています。しかし閣僚や民主党内から異論や慎重論も出ています。運動と世論を広げることが大切です。(万)

 〔2009・10・31(土)〕


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