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2009年10月30日(金)「しんぶん赤旗」

学費支援 応募10倍増

国立大独自の給付奨学金

5年間で

国大協が報告


 大学独自の学費負担軽減制度に応募する学生が急増していることが国立大学協会(国大協)の調査でわかりました。29日、約200人が参加した東京都内での大学改革シンポジウム「教育費負担の在り方と国立大学の授業料」で報告されました。

 国立大学に対しては国による授業料減免制度や日本学生支援機構(旧日本育英会)による貸与制の奨学金がありますが、不十分なため大学独自の学生支援制度が広がっています。国大協のこれまでの調査によると、返済の必要のない給付制奨学金制度を実施している大学は2004年度の10大学から09年度44大学に増加。申請者数は253人から2393人と9・5倍になっています。また、独自の授業料減免制度を設置している大学は04年度1大学から09年度は27大学に増加。申請者数は5406人から5・5倍の2万9520人でした。

 制度を導入していない大学は給付制奨学金で35大学、授業料減免制度で54大学、いずれも多くが財源不足を理由としています。報告した国大協のメンバーは大学独自の制度運用は限界にきており、国の給付制奨学金の創設、授業料減免制度の拡大、授業料等標準額の引き下げが必要だと語りました。

 シンポジウムではパネリストから、高等教育への公財政支出が経済協力開発機構(OECD)加盟国中最低水準であることへの批判や予算の拡充を求める発言がありました。

 国大協の濱田純一会長(東京大学総長)は新政権に対して提出した運営費交付金の拡充、教育費負担の軽減の要望にふれ、「教育費問題は大学にとって最も重要な問題。新政権のもとで高等教育への真剣な議論が行われることを期待する」とのべました。



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