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2009年10月15日(木)「しんぶん赤旗」

普天間の爆音

胸かきむしられる

裁判官に住民ら訴え

控訴審調査


 爆音に襲われるたびに「胸がかきむしられ、腸(はらわた)がかき回される」と訴える原告住民―。沖縄県宜野湾市の住民らが国に米軍機の飛行差し止めや損害賠償などを求めた普天間爆音訴訟の控訴審で現地進行協議が14日に行われ、福岡高裁那覇支部の裁判官らが現場を視察しました。


 現場調査は、原告の自宅、米軍ヘリ墜落事故現場の沖縄国際大学、基地に隣接する普天間第二小学校、住宅街など宜野湾市内7カ所で行われました。

 同時に原告、被告双方が騒音測定を実施。通常より極端に飛行が少ない状況でしたが、宜野湾市大謝名(おおじゃな)の原告宅で約30分の間にこの日の最高値94・5デシベルを5回観測しました。4分ほどの間隔で騒音が観測され、その度に会話が遮られたといいます。飛行したのは大型機ほどには騒音の大きくない対潜哨戒機のP―3Cでした。

 基地のフェンスから500メートルほど離れた住宅街の一角、野嵩一区公民館では近くに住む原告の知念忠二さんが爆音被害を説明。「徐々に音が大きくなり障子やふすまがびりびり動く。朝から晩まで苦しめられていることを理解してほしい」と訴えました。知念さんは、太平洋戦争末期の沖縄戦の体験者です。米軍機が真上を飛行するたびに爆弾が近くに落ちる中を逃げ惑った状況がよみがえるといいます。同所では、85・6デシベルが観測されました。

 普天間第二小学校では下校中の子どもたちの上を米軍機が飛び立っていく状況が確認されました。

 現場調査を終えて原告弁護団の新垣勉弁護団長は「飛行は極端に少なかったが、学校や住宅街と基地との密接状況は体感してもらえたと思う」と語りました。

 20日には普天間基地を抱える宜野湾市の伊波洋一市長らの証人尋問が行われます。



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