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2009年10月10日(土)「しんぶん赤旗」

気候変動部会終わる

大きな進展なし


 【バンコク=井上歩】2013年以降の地球温暖化対策の国際協定をつくるためバンコクで開かれていた国連気候変動枠組み条約の特別作業部会は9日、大きな進展なく約2週間の交渉を終えました。

 会合では、次期協定の合意期限である12月の同条約第15回締約国会議(COP15、コペンハーゲン)に向け、各国の主張を統合した文書の整理作業を進めました。技術移転や適応(被害対策)などで作業は進展し、新協定交渉の土台となる文書は181ページからおよそ半分の分量にまで削減されました。法的文書の草案としての形もできつつあり、論点も煮詰まりつつあります。

 他方で、温室効果ガス排出の削減行動に発展途上国が参加する前提である先進国からの資金援助問題では、前進がないままに終わりました。

 同条約のデ・ブア事務局長は8日、資金問題での前進が最重要だと指摘した上で、「途上国が新合意に向けて建設的な提案をしている」なかで、「先進国の野心的な削減目標や大きな資金の提示がなくては、交渉が誠実に進むのは難しい」とのべました。9日の会合終了後には、この点で「大きな相違点が残っており、(各国が)共通の利益を優先させるときだ」と強調しました。

 先進国の20年までの排出削減目標では、1990年比25%削減を打ち出した日本に続き、ノルウェーが同40%削減に目標を引き上げました。これらは高く評価され、交渉を妨害する国に世界の非政府組織(NGO)から与えられる「化石賞」を日本は初めて授与されませんでした。



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