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2009年10月6日(火)「しんぶん赤旗」

国連「人間開発報告」

「幸福度」の格差拡大

先進国と開発途上国


 国連開発計画(UNDP)は5日、タイの首都バンコクで2009年版『人間開発報告』を発表、先進国と開発途上国の人々の間の「幸福度」の格差が容認できない幅にまで拡大していると指摘しました。


 報告によると、今年の「人間開発指数」(HDI)で大幅に順位を上げた国は、中国(92位、前回比7位上昇)、コロンビア(77位、同5位上昇)、ペルー(78位、同5位上昇)、ベネズエラ(58位、同4位上昇)の4カ国。報告は、これら4カ国での所得増や平均寿命の伸びを反映したもので、とくに中国、コロンビア、ベネズエラでは教育の改善が大きく寄与したと報告しています。

 最下位の西アフリカ・ニジェールの平均寿命は50歳で第1位のノルウェーと比較して30年短く、両国間では85倍の所得格差があります。

 UNDPの「人間開発報告チーム」のジェニ・クルーグマン氏は「大きな改善があったにもかかわらず、進展は不均等だった」と述べ、「多くの国では最近の数十年、経済後退、紛争による危機、エイズなどの影響で逆流を体験している。これは世界的な金融危機前でもそうだった」と語りました。

 日本は人間開発指数で、前年度と同じ10位。昨年トップ10から外れたフランスは8位に復帰しました。

表

 人間開発指数(HDI) 国連開発計画(UNDP)が毎年、『人間開発報告』のなかで発表しています。各国の平均寿命、識字率、就学率、1人当たりの国内総生産(GDP)などに、貧困指数や男女平等の指標などをまとめたもので、人々の幸福度の指標とされます。今年のHDIはこれまで含まれていなかったアフガニスタンなどを含め、世界の182カ国を網羅しています。



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