2009年10月2日(金)「しんぶん赤旗」
自民の官僚OB議員
関係業界が多額献金
港湾・農業土木… 深いつながり
国土交通省などの官僚出身国会議員が代表をつとめる自民党支部や資金管理団体が、議員の出身省庁と関係が深い業界から多額の献金を受けている実態が、9月30日公開された2008年の政治資金収支報告書でわかりました。官僚OB議員と業界の密接な関係がうかがわれます。
こうした献金が目立つのは、泉信也元国家公安委員長(旧運輸省審議官)、佐藤昭郎(農水省局次長)、脇雅史(旧建設省近畿地建局長)、佐藤信秋(国交省次官)ら4人の参院議員の自民党支部や資金管理団体です。
泉氏の「自由民主党東京都参議院比例区第47支部」と資金管理団体「篠山会」には、80の企業・業界団体から総額2882万円分の献金がありました。
献金した企業には五洋建設や東亜建設工業など、埋め立てや浚渫(しゅんせつ)、港湾建設などを手がける海洋ゼネコンが並びます。業界団体としては、沖縄県や青森県などの港湾空港建設協会から献金を受けています。
泉氏は、旧運輸省(現国交省)の第四港湾建設局長などを歴任。港湾行政に精通しています。港湾行政と関係の深い企業からの献金について、泉氏側は「政治資金収支報告書の通りであり、ご質問にはお答えいたしかねます」としています。
農業土木関係の企業から献金を受けていたのは佐藤昭郎議員です。
佐藤氏の「自由民主党東京都参議院比例区第35支部」は、農地整備の設計やコンサルタント会社である葵(あおい)エンジニアリング(名古屋市)やサンスイコンサルタント(京都市)など25社から総額524万円を集めています。
佐藤氏の事務所は「献金は政治活動にご賛同いただいた結果。見返りなどはない」と答えています。
脇議員の「自由民主党東京都参議院比例区第43支部」と「脇雅史政策研究会」には40を超える建設業者や業界団体から1020万円の献金。
佐藤信秋議員の「自由民主党東京都参議院比例区第55支部」と「佐藤信秋後援会」は、30の建設業者やコンサルタント会社から計1400万円の献金を受けていました。
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